モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

【ネタバレ】映画「セーラー服と機関銃―卒業―」感想と評価 ハシカン主演はまだ無理がある。

セーラー服と機関銃―卒業―

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こーのまぁまぁ~なんじかんでぇもぉ~♪   う~ん、いい歌ですねぇ。個人的には来生たかおのセルフカバーが一番好きです。

 

 そんなことはさておき、何万年だか忘れましたが、地方から発掘されたすげーかわいいアイドルがとうとう映画の主演に大抜擢です。ネットで叩かれるのを覚悟してるのでしょうか。

とにかく、見てまいりました。

 

 

 

あらすじ

かつて弱小ヤクザ・目高組の組長をつとめ、伯父を殺した敵を機関銃で襲撃する事件を起こした18歳の少女・星泉(橋本環奈)。

目高組が解散してからは、商店街の「メダカカフェ」を切り盛りしながら普通の女子高生として平穏な毎日を過ごしていた。ところがある日、モデル詐欺に巻き込まれた友人の相談を受けたことから、彼女の周囲に再び不穏な空気が漂いはじめる。(映画サイトより抜粋)

 


橋本環奈初主演映画『セーラー服と機関銃 -卒業-』特報映像

 

 

 

監督・キャスト

監督は、デビュー作以外ぱっとしない前田弘二

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 自主制作から監督の作風が徐々に形成されていき、いわばその完成系ともなる長編映画デビュー作を吉高由里子を主演に迎え、親友の結婚に感化され、5人もの彼氏の中から最も伴侶に相応しい男は誰かを品定めするというなんともビッチな女と彼氏たちをコミカルに描いた「婚前特急」が、数ある賞で新人監督賞を受賞し時の人となりました。

その後も、女性なら誰もが憧れるハワイでのロハスで有意義なバカンスと、仕事と恋に奔走する女性を描いた恋愛コメディ「わたしのハワイの歩き方」や、

原作が実在する闘病ブログとして話題となり、映画化にあたって死んだはずの嫁が残された旦那の前に現れるという設定を加え作られた、夫婦の死に別れてしまったからこそ伝えられなかった思いをぶつけ合うハートフルコメディ「夫婦フーフー日記」など、

主に女性を中心にしたコメディ色の強い作品が多いようです。

 

 

 

 

 

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元同僚がこの作品を激推ししてたのでつい見てしまいましたが意外と面白かった作品。

 

学生、妻子持ち、バツイチなどのあらゆるタイプ5人を股にかけ、時間をうまく使っていろんな体験を楽しむ」がモットーな24歳の女性が親友の結婚を機に査定していく中で本当に自分に合う人を見出していくロマンスコメディ。

 

結婚する相手の条件、高く設定してる方。是非、これを見て考え直すべきです!金持ちやイケメンと一生暮らすことが幸せなのか?案外もっと大事な条件を忘れてないだろうか?そんなことを教えてくれるような作品だと思います。

吉高由里子の小悪魔っぷりはもちろんイライラを1周してキュートにしか感じないし、この作品で役者としても知名度を上げたハマケンこと元SAKEROCKのメンバーにして在日ファンクのボーカル・浜野謙太の演技にも注目していただきたいですね。

 

 

 

主演の星泉役に橋本環奈。

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私と一回り以上歳が離れています。てかおい16歳か・・・てっきり高校は卒業してるかと思ってた・・・。でもさ、決してそっちの趣味はありませんが、普通にかわいいっしょっ!!!!????

正直この子目当てで見に行くようなもんです。でもって、カ・イ・カ・ンっていうんでしょ?あーいかんいかんいかん。決してそっちの趣味はないんだっ!!!!でも、軽く理性のリミッターを見てる間だけは解除しようと思います。

元々は福岡県を拠点に活動するアイドルグループRev.fromDVLに現在も所属しており、活動中にtwitterにて拡散された写真がきっかけで「千年に一人の逸材」「天使すぎるアイドル」などと話題になり、各メディアで取り上げられ現在の人気を得たようです。

女優業としては去年の映画「暗殺教室」くらいでしかも脇役でしたから、今回の主演抜擢には知名度優先でのキャスティングかと思います。でも、ぜひこのチャンスをものにしていただきたいですね。

そして、あの主題歌「セーラー服と機関銃」も彼女が歌い念願のソロデビューというプッシュぶり。歌に演技に忙しそうです。目の下のクマはやっぱり寝不足ですかね。

 

 

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浜口組若頭補佐・月永役に長谷川寛己

 

舞台でキャリアを積み、テレビドラマ「セカンドバージン」、「鈴木先生」、「家政婦のミタ」などで、超二枚目、真面目、情けない役などの幅広い役柄を、舞台で生かした演技で魅了しブレイク。

その後も、やくざの組長が自身の娘を主役にした映画を制作するために、映画バカとさえない青年を巻き込み、組同士の抗争をそのまま映画にしてしまうという、バイオレンスにして超笑えるハチャメチャストーリー「地獄でなぜ悪い」や、

昨年は、舞台で生かした経験が仇となったのか、それとも監督が悪いのか、説明調の台詞に嫌気が刺した人気マンガ原作の実写化で話題を呼んだ「進撃の巨人」、

そのダークな内容にテレビでやるの危うくないか?と思うほどの血と暴力と闇を描いたテレビドラマの続編となった映画「MOZU」では、危険なにおいのプンプンする男・東を時にクールに、時にクレイジーに演じ、彼の挨拶「チャオッ!!」で何度笑ったことか!

今年は久々の復活となる「シン・ゴジラ」に出演することが決まってます。ん~どうなることやら・・・。

 

 

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そして、今回の黒幕となる安井役に安藤政信

 

今やアジアへと活動の場を広げている彼がなぜこれに出演するのか・・・前作「GONIN サーガ」、今作、次作が「貞子VS伽椰子」とすべて角川映画配給。そういうことですか。

 

もうデビュー作「キッズリターン」が懐かしいです。あの頃の幼さは既になく、男らしいギラギラ感が滲み出ています。個人的には、彼の過去作で言うと、「スペーストラベラーズ」や「サトラレ」、「RED SHADOW 赤影」のようなピュアでちょっと抜けた感じの役柄が好きでしたが、「バトルロワイヤル」での純粋に殺しを楽しんでる男を演じて以降は、それまで演じていたものとはかけ離れた役柄を演じてきているのが印象的です。特に「スマグラー」でのアクションと風貌、存在感はかなりインパクトのある演技でしたね。

 

 

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他にも、目高組組員・祐次役に深夜ドラマ「LOVE理論」での演技が印象的だった大野拓朗、市長選に立候補するくさかべ役に鶴見辰吾、泉の叔父役に榎木孝明、浜口組組長に伊武雅刀、そして、目高組若頭・土井役に武田鉄矢というなんとも渋いベテラン俳優たち。

 

 

浜口組襲撃からのその後を描いたとされる今作を、今をときめくアイドルがどう演じるのか、そして、どうリニューアルした作品になっているのか、

では、感想です。

 

 

 

 

 

 

これは続編なのか?リメイクなのか?

以下、確信に触れずネタバレします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

監督の意図が読めない(ーー;)

薬師丸ひろ子版では、カイ・カンというこの超有名なセリフが作品の代名詞となるものになりました。
しかも、この言葉の使い方もちゃんと劇中で説明されてるから乱射したあとの彼女のセリフに理解を示せていました。
確か、「死に対する恐怖と戦慄が入り混じり快感になる」だったでしょうか。
 
それほどこの作品の代名詞であるセリフが開始1分で放たれるという恐怖と戦慄!
ある意味こっちが快感だったのでしょうか。
冒頭に持ってきたことでこれが正統な続編であることを意味してるのかと思いきや、その後一向にフラグは立たず、終盤の襲撃でさえも使われないという、意図のわからないオープニングでした。
 
と、このようにシチュエーションや構成、撮影方法など、前作と似たような、または意識してるような部分も多々あるように感じました。
 
泉にくっつく男子生徒三人組も前作と一緒だし、月永に淡い恋心を抱くのも佐久間を意識していた時と一緒、しかも、佐久間がヤッてるところを見てしまう前作に対して今回は月永がディープキスしてるところを目撃してしまうシーンだったり。
 
極め付けは長回しという名のノーカットを多用した撮影方法。相米監督も多用していたものでしたがこんなんじゃないです。
特に目立ったのは、即興のアドリブっぽいセリフから始まるくだけたやり取り。よく言えば、新人女優を和ませ自然な顔を写そうと試み、組員達と仲睦まじい印象でも植え付けようと試みたのでしょうか。これを延々とカメラを回し続けるというもので。
1回ならまだいいものの、相手を変え同じようなことをしてるのでカットしても良かった気がしました。
 
そして、手ぶれが多かった!なぜどうでもいいところでぶれるのか?意図がわからない。おまけにスクリーンに収まらないからだろうか。組の看板を掲げた泉を真横にして撮る!なぜだ!監督ひどいぞ!!
 
 
 
 
 

話もお粗末なもので…

結論からいうと目高組が立ち入らなくても良かったのではないか?という疑問。
 
浜口組と手打ちをして解散した目高組に、とある疑惑を持たれ一触触発状態に。気になった浜口組の若頭・月永は調べてみると外部から町を牛耳ろうと企んでいる、表向きは都市開発グループ、裏の顔はヤクザな会社であるホリウチグループの社長・安井の仕業だとわかる。
しかも自滅するか傘下に入るかの二者択一を迫られた浜口組は傘下に入るが、月永だけは黙っていられず、一矢報いるため泉に協力を申し出る。
 
というあらすじなんですが、ここまで読めばわかるとおり目高組って部分が無くても浜口組対ホリウチグループで話がまとまっちゃうところ。
そりゃあ、昔から地元のためにっつーわけで面倒見てきた目高組とあって自分の町から蔓延る悪は許せねーって名目なんでしょうが、だったら浜口組はスルーすりゃいいじゃん。とも思ったり。
 
でまあ、ホリウチグループ側の悪業の理由があるわけですが、ごもっともな必要悪なのはわかるんですが、場所がね〜。そこで言っても説得力ねーし、で、もっと説得力ねーのはそれに対する目高組の言い分でしたが。
 
 
 
 

橋本環奈は悪くなかった。

彼女に関しては、意外と演技が様になってると率直に感じました。
泣いて笑って怒って叫んではしゃいで啖呵きってといういろんな表情を、いいか悪いかは別として逆光でガンガン照らし舞い降りた天使の如くスクリーンを彼女の顔で占めたシーンは、アイドル映画としては面目を保ったのではないでしょうか。彼女が出るんだからそこはキレイにとらないと意味ないですから。
セリフの内容もきわどいもんでマリファナやらコークでブッとぶやら彼女の口から飛び出したり、果てはラブホテルでのシーンもあったりと。無邪気なら何でも許せるのかよ、スゲ〜なおい。
 
脇を固めた長谷川博己も武田鉄矢も話や撮影がボロボロにもかかわらず、肝の座ったいぶし銀な演技で橋本環奈を支えていたのでさすがでしたね。
 
 
 
 
 
 
というわけで、わかってはいたものの内容に関しては非常にいただけないマズイものでしたが、彼女の10代の記録として残せるのならばそれはそれで良しといってもいいのかな、と。
一応角川映画40周年記念なのだから、しっかりしたものを作って欲しかったですけどね。
 
 
 

満足度☆☆☆★★★★★★★3/10