モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

旧作映画を語ってみる②〜パシフィック・リム〜

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  • 公開日 2013年8月9日
  • 監督 ギレルモ・デル・トロ
  • キャスト チャーリー・ハンナム、菊地凛子、イドリス・エルバ、チャーリー・デイ、ロバート・カジンスキー、マックス・マルティーニ、ロン・パールマン、芦田愛菜
 
 
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あらすじ

太平洋グアム沖に異世界との割れ目が生じ、怪獣が出現する。太平洋沿岸の諸国は、環太平洋防衛軍を設立し、対怪獣用巨人兵器イエーガーを作り出し立ち向かう。一時的に優位に立つも、さらなる怪獣の出現により追い込まれていく。ペースの速さにイエーガーの生産が追いつかない首脳陣は迎撃よりも防御策を優先させる方針を決め、「命の壁計画」を実行するも簡単に壊されてしまう。そんな中、カテゴリー4に位置する巨大怪獣が出現、かつてイエーガー「ジプシー・デンジャー」に搭乗し、怪獣との格闘の際一緒に操縦していた兄を失い一線を退いていたローリーとイエーガーの研究者森マコと共に撃破へ向かう。果たして、彼らはこの危機を乗り越えることが出来るのか…。
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当時の思い出

公開初日、仕事後に何としてもIMAX3Dで鑑賞する為に大混雑の中、ネットで座席を確保しレイトショーに向かいました。夜遅いにも関わらず、年配の方、カップル、親子連れなどがひしめくという夏休みの週末ならではの光景でした。
 
ただ、いつもと違ったのは各国の外国人の多さ。それも、男性ばかり。
日本のロボット、怪獣をオマージュした作品にも関わらずこのグローバルな客層に驚きでした。
そんな彼らのおかげで、思い入れのある作品になったのもその時はつゆ知らず。
 
いざ、本編が始まり、オープニングのタイトルロールが流れると、後ろの方から雄叫びがっ∑(゚Д゚)
覗いてみるとさっきの外国人たちではないか!
まぁ、オープニングだし特に気にすることもないかと胸を高鳴らせ手に汗握り、集中して見ていたのですが、バトルシーンが始まるとまた後ろから雄叫びがっ∑(゚Д゚)∑(゚Д゚)
またもや彼らです。
とにかく彼らはものすごい興奮で席を立ちYEAH!イエーっ!と笑いながら叫んでました。
その感情の表れに、徐々に我々も当初苦笑いだったのが彼らのおかげで映画館ならではの緊張感が抜け、彼らに釣られ心の声が漏れ、笑いや興奮が観客に派生していきました。
終いには、エンドロールが流れた後、全員総立ちでのスタンディングオベーション。試写会では、よくあることですが、普通の映画館ではあり得ないことです。
 
彼らの興奮が会場全体を巻き込み、やがて年配の方も親子連れもカップルも拍手喝采にまで至るという今まで味わったことない経験をしました。隣に座っていた50代くらいの男性も思わず、
「映画館はやっぱりいいなぁ。」
と声を漏らすほど。
 
もちろん映画館はマナーを守らないといけない所で、無闇に声を荒げるのは良くないです。
ただこの場合、ヒューマンドラマのような映画ではなく、SFアクション娯楽大作で、しかも、バトルのみ叫んでたのを考えると、特に支障はなく、逆にウエルカムなオプションだったわけです。
おかげで、その歓喜を観客も共有しまたとない経験とただ映画を見ただけでなく、そこにいた赤の他人達と盛り上がったという思い出を作ることができたわけです。
 
それがきっかけで、3Dブルーレイを購入し家で何度も鑑賞する度にあの時の光景が目に浮かんできます。
 
隣にいたおじさんじゃないけど、これだから映画館はいいなぁと思いました。
笑いや興奮は隣から隣へ派生するんだよなー。しかも、大画面で大音量で。
レンタルして家で一人で観てたってこんな興奮と経験は絶対味わえない。
こういうジャンルだけでもいいから映画館で見て欲しい、と切に願います。
 
 
 
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日本の特撮、アニメへのオマージュ

監督曰く、「日本の漫画、ロボット、怪獣映画の伝統を尊重している」とインタビューで語るほど日本のサブカル文化を愛している方で、この映画にはそんな部分がちりばめられています。
 
ポスターはガンプラの絵だし、クリムゾン・タイフーンのモノアイ、ジプシー・デンジャーは鉄人28号がモデルだし、マジンガーZのロケットパンチや、エヴァのようなコスチューム、綾波レイのようなマコの髪型、頭部だけをバックに使ったシーン、ゴジラやガメラなどの敵怪獣をモチーフにした怪獣たち、ゴジラ対キングギドラのシーン丸パクリ、などなどちょっと挙げただけでもキリがない。
そのまでのマニアではないので、全て把握できるほどわからないですが、にわかな自分でもこれだけ気づくほどインスパイアされてるのを見たら日本人は大喜びでしょ!
 
セリフも日本語をギリギリ片言にならない具合に喋っているし、お辞儀だったりと日本を意識した脚本もまた日本を尊重した監督ならではの演出のひとつだったりもしますね。
あとは何と言っても敵の総称をモンスターでもなくエイリアンでもなくKAIJUと呼んでいること。これには感動以上のものがありません。
 
 

わかりやすい展開

話の流れは単純明解で、怪獣をロボットが倒して地球の平和を守る、ただこれだけ!
 
もちろん、その中にも、主人公が失った兄への思いや、パートナー森マコの幼少時のトラウマと怒り憎しみといった怪獣に対する復讐、司令官のマコに対する親心、2人の研究者の掛け合いなど人間ドラマとしてもわかりやすい、正確に言えばよくある話、んでもって細かく言えば荒唐無稽。だけど、そんなことをバトルシーンがもみ消してくれます。
 
そんなバトルシーンはスマート且つスピーディな戦い方でなく殴る、投げる、引き裂くといった肉弾戦メイン。
しまいには、コンテナで怪獣の顔を挟んだり、タンカー船で頭殴ったりと荒い荒い!
 
そして、カテゴリーという括りで強さ、大きさを表すことで徐々に強くなっていると認識させる怪獣。
当初はロボットに対する打開策がないまま現れるが、次第にパイロットを狙い、溶解液を吐き、電磁パルスまで使う学習能力。ロボットと互角じゃないとつまらないしピンチにならないとね話が盛り上がらん!
 
 
 
 

まとめ

とにかく童心に帰れる映画なわけで、
似たような話ではあるけれどゴジラでもなくエヴァでもない全く新しい作品としてロボット映画を作り出してくれた監督によるハリウッドからのラブレターに我々はちゃんと答えなくてはならない。
 
日本での興行収入はそこまでいいものではなかった。やはり、こういうことになると必然的に日本を避け、興行収入が盛んな中国を意識した話ばかりでき、スターが来日しなくなる。
やっぱり映画館で映画見て盛り上がってるところを見せないといけない。
せっかく続編の製作が中止というニュースを撤回してくれた監督に示しがつかない。
そして、またあの感動を味わいたい。
 
そんなことを思いながら今日久々に見直しました。やっぱり面白かった。